研究について

私の最初の本のテーマは中国共産党です。共産党員が、草の根から政権の安定に貢献していることについて調査・研究しました。共産党員が多い「赤い区」と共産党員が少ない「淡紅区」を比較しました。共産党員が多い「赤い区」では、共産党の政策がより強く推進されていることを示しました。また、地域的に共産党員の割合はかなり異なります。理由は、第二次日中戦争の時に、日本軍に占領された場所で、党員の獲得が早く進んだからです。そのパターンは今も続いています。

私の本の目的は、政党研究によくある民主的バイアス(democratic bias)を排して、一党支配制度における政党の草の根の役割を明らかにすることです。政治学的に重要な地域差があることに着目し、地域的な動向 (subnational turn)と、歴史的な動向(historical turn)を同時に分析することの重要性を強調しました。計二年間、中国の山東省と湖北省、台湾と日本でフィールド調査をしました。

また別途、伝統的な地方制度について統計分析を行い、清帝国(1644-1911)の皇帝が、一番優秀な官僚を、どのような県に送ったかを明らかにしています。